2017年07月31日

人手不足に悩む,外食業界

 今月は,外食業界における人手不足が深刻化している昨今,各チェーンがどのような対策を講じているかに着目してみました。
 日本商工会議所が全国の中小企業4072社を対象に3/24~4/28の期間で行った「人手不足等への対応に関する調査」では,人手不足と回答した企業が全体では60.6%だったのに対して,宿泊・飲食業では83.8%となっており,全業態の中で最も高い数値となりました(日経MJ:12017/7/19:P11)。
 また東京商工リサーチの調査によると,2017年上半期の全国倒産件数(負債総額1000万円以上)は前期同期比0.1%減の4267件だったのに対して,飲食業は前年同期比15.1%増の388件と,3年ぶりの高水準となりました(日経MJ:2017/7/19:P11)。

ところでかねてより筆者は,これからの外食業生き残り戦略のキーワードは「機動力」,すなわちイートインだけではなく,テイクアウト,ネットショップ,ケータリング,デリバリーなどをいかに組み合わせて売り上げを上げるかがポイントだと主張してきました。この中の「デリバリー」に関して,人手不足を解消する取り組みを行っている企業の記事が掲載されていました。

 宅配業務について,大阪王将/イートアンドやスシローはネットデリバリーの「ウーバーイーツ」に,マクドナルドや吉野家は一部業務を「出前館」に委託する,とのこと(日経朝刊:2017/6/27:P13)。ピザなどの宅配専門の業態では,実際にお客様と接触する配達員(CP:コンタクトパーソネル)の接客スキルやコミュニケーションがリピート率に大きく影響するのですが,デリバリーを+αと捉える業態では自前のスタッフではなく「デリバリー」の専門業者に委託しても問題ないという判断なのでしょう。いずれにしても,外注により人件費コストを下げることができそうです。
 また,すかいらーくでは,自社の複数ブランドのデリバリー部門をまとめて,宅配ドライバーを共有する実験を始めました(日経MJ:2017/7/21:P15)。実験地区では,実際に宅配部門の売り上げが上がっているとのこと。ちなみにすかいらーくグループの2016年の宅配事業売上高は,前年比5%増の170億円となっており,ここ数年増加傾向は続いています。すかいらーくは,自社スタッフによる宅配部門の拡張と効率化を志向しているようです。 


●大阪王将やマクドナルドなど,宅配を外注へ(日経朝刊:2017/6/27:P13)
●マクドナルド復調,19か月連続増収(日経MJ:2017/7/10:P15)
●ファーストキッチン,ウェンディーズコラボ店を新規出店(日経MJ:2017/07/19:P.15)
●ホットランド/築地銀だこ,米国進出(日経MJ:2017/07/19:P.15)
●すかいらーく,グループで宅配ドライバーを共有(日経MJ:2017/7/21:P15)
●ラーメン「とん太」の秀穂,移動式茹で麺機を開発(日経MJ:2017/7/26:P15)


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posted by 山岡雄己 at 00:00| Comment(0) | 時評